第2幕、自分を出す。相手を受け取る。 ~第2回演技ワークショップ ~
演技ワークショップ、第2幕。
今回のスタートは、じゃんけんです。
ただし、普通のじゃんけんではありません。
ペアで握手をするように手を差し出し、勝ったら相手の手を握る。負けたら、握られる前にサッと手を引く。
「じゃんけん、ぽん!」
握れた! 逃げられた!
シンプルなゲームですが、相手を見ていなければうまくいきません。
相手を見る。相手の動きを感じる。そして、自分も動く。
たくさんの笑顔とともに、第2回のワークショップが始まりました。
「目で聞いて、目で伝える」
続いては、5~6人のチームでリズムしりとり。
造語も、「ん」で終わる言葉もOK。そして、次に答えるのは指を差された人です。
いつ自分の番が来るか分かりません。
「次は何を言おう?」
言葉を考えることに夢中になると、いつの間にか仲間の顔を見る余裕がなくなります。
そこで、講師の先生から一言。
「目で聞いて、目で伝える。追い込まれると、アイコンタクトがなくなる。」
何を言うかと同じくらい、誰に伝えるかも大切です。
相手を見る。受け取る。そして、自分から返す。
リズムに乗って言葉をつなぎながら、生徒たちはそんなやりとりを楽しみました。
「赤」から何を思い浮かべる?
次は連想ゲームです。
「赤」→「トマト」→「野菜」→……
前の人の言葉から、自分が思い浮かべたものをつないでいきます。
ルールは一つ。
「絶対に否定しない。」
同じ「赤」でも、思い浮かべるものは人それぞれ。
「なんでそれ?」ではなく、「なるほど、そうきたか。」と、まずは受け取ってみる。
すると、誰かの言葉から新しいイメージが生まれ、自分一人では思いつかなかった方向へ言葉が広がっていきます。
講師の先生は、
「感じたことを言葉にする勇気が大切。」
と話されました。
しりとりのように自由に言葉を出すのが得意な人。連想するようにイメージを広げるのが得意な人。
仲間と関わる中で相手を知り、同時に「自分って、こういうタイプなんだ」と、自分自身にも気づいていきます。
ただし、話せるのは一人一回。
最後は、いよいよ演技です。
5~6人で物語と台本を考えて演じます。
ただし、条件が一つ。
「一人が話していいのは、一回だけ。」
誰が、いつ、何を話す?
セリフが一回なら、動きや表情でどう伝える?
「こうしたい!」
「だったら、こんなのは?」
それぞれのアイデアが飛び交います。
自分とは違う考えも、まずは受け取ってみる。そして、組み合わせてみる。
そうして少しずつ、一人のアイデアが「みんなの表現」へと変わっていきました。
最後はチームごとに発表です。
役になりきる姿。
動きや表情で伝えようとする姿。
仲間の演技に合わせる姿。
同じ条件から始まったのに、できあがった表現は一つとして同じではありません。
会場には、たくさんの笑顔が広がりました。
自分を出す。相手を受け取る。
じゃんけんから始まった今回のワークショップ。
相手を見る。
自分の言葉を出す。
相手の言葉を受け取る。
そして最後には、それぞれのアイデアを持ち寄って、一緒につくる。
その中をずっと行き来していたのは、
「自分を出すこと」と「相手を受け取ること」
でした。
今年、新しい学校でともに歩み始めた私たち。
これまでの経験も、考え方も、感じ方も、一人ひとり違います。
だからこそ、自分を出してみる。
相手から返ってきた「自分とは違う」も、受け取ってみる。
そして、その違いをちょっとおもしろがってみる。
すると、
一人では生まれなかったものが、「私たち」の間から生まれてくる。
今回のワークショップで見られた姿は、今年始まった新しい学校づくりにも、どこかつながっているように感じます。
AIやSNSによってコミュニケーションの形が変わっている今だからこそ、目の前の人を見て、自分の言葉を伝え、相手から返ってきたものを受け取る。
そんな時間も、大切にしていきたいと思います。
自分を出す。
相手を受け取る。
そして、一緒につくる。
少し冷たくなった秋の風の中、
今日交わした言葉を、それぞれの胸に残して。
私たちは、また明日へ歩き出します。








更新日:2026年10月05日