日本の伝統芸能「薪(たきぎ)能」を楽しむ

更新日:2022年10月31日

 10月29日、岩邑小学校の体育館で3年ぶりに「いわむら城址薪能」が開催され、約200人が能を鑑賞しました。例年は岩村城藩主邸跡の老松を背景に、かがり火をたいて開催していましたが、今回はまきを使用せずに、ライトアップや老松の看板を背景にするなどして荘厳で神秘的な世界を演出。開演にあたり、いわむら城址薪能実行委員会の瀬戸利之委員が「3年ぶりの開催となるいわむら城址薪能、幽玄な能の世界を楽しんでください」と来場を歓迎しました。続いて小坂市長が「地域の皆さまが歴史や文化に誇りを持ち、伝統を守っていることが岩村の魅力です。伝統を継承しつつ、新しい取り組みも行ってほしい」と開催を祝いました。
 初めに上演されたのは仕舞「羽衣(はごろも)」。三保の松原に住む漁師・白龍(はくりょう)は松の枝に掛かった美しい衣を見つけます。家宝にするために持ち帰ろうとした白龍に、天女が現れて声をかけ、その羽衣を返して欲しいと頼みます。返す返さないの問答の内に「それがないと、天に帰れない」と悲しむ天女の姿に心を動かされ、天女の舞を見せてもらう代わりに、衣を返すことにします。天女は衣をまとい、舞を舞いながら天上へと帰っていきました。天女を、重要無形文化財総合指定保持者の玉井博祜(たまいひろこ)さんが演じました。その他、舞囃子(まいばやし)「放下僧(ほうかそう)」や狂言「雷」、能「巴(ともえ)」も上演されました。趣ある雰囲気に包まれる中、訪れた観客は日本の伝統芸能の奥深さを堪能していました。

 名古屋市から訪れた女性は「狂言『雷』が特に印象的でした。掛け合いや大鼓の音と声が良かったです。若々しくしなやかな動きで楽しむことができました」と話しました。

仕舞「羽衣」

舞囃子「放下僧」

狂言「雷」

能「巴」

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