食べて 学んで 体験する 全国発酵食品サミットを開催
11月25日、26日に恵那文化センターで第13回全国発酵食品サミットinえなが開催されました。発酵食品と発酵の文化を全国に向けて発信するイベントで、2日間で1万8千人が発酵食品の魅力に触れました。
11月25日
中山太鼓のオープニングアトラクションを皮切りに、開会式が始まりました。小坂市長は「恵那の発酵文化を大切にし、子どもたちに受け継いでいくことが大切です。味わい深い2日間になるでしょう」とあいさつ。また、発酵食品ソムリエと共に「発酵食品を食べる喜びと学ぶ楽しさを通じて発酵文化の輪を広げましょう」などと高らかに宣言しました。

基調講演とパネルディスカッション
東京農業大学の小泉武夫(たけお)名誉教授による基調講演では「世界の発酵食品」と題し、小泉教授が世界を旅して出合った発酵食品を紹介。東南アジアでは、虫を発酵させて醤油(しょうゆ)にしたり、セミの幼虫を発酵させて調味料にしたりするなど、珍しい発酵食品に観覧者からは驚きの声が上がりました。
次に行われたパネルディスカッションでは、「発酵による未来の私たち~SDGsのまち・えな~」をテーマに、発酵食品ソムリエや恵那農業高校食品科学科の生徒が取り組み事例を発表。発酵食品ソムリエの安江ふずきさん(中野方町)は、米や野菜などを家で育て、採れた食材を発酵させて無駄にしないように食べていること、恵那農業高校の生徒は、校内で味噌(みそ)や醤油などを製造していることを紹介し、パネリストらと積極的に意見を交換しました。

小泉教授による基調講演

パネルディスカッションの様子
発酵食品を集めたマルシェや地域の屋台
屋外には、朴葉寿司(ほおばずし)や五平餅など、恵那の発酵食品を販売する発酵屋台や、全国各地の発酵食品が集結した全国発酵マルシェなど、たくさんの発酵グルメがずらりと並びました。えなの発酵マルシェでは、市内で作られた味噌(みそ)や麹(こうじ)、パンなどを買い求めて行列ができました。


11月26日
開催2日目には、小泉名誉教授と俳優の財前直見さんとのトークショーが行われました。
トークショーでは、財前さんが家庭で作る発酵食が紹介されました。ステージ上に、18種類の雑穀などが入った「食べる甘酒」や梅のしょうゆ漬け、糀納豆が出されると、小泉名誉教授が次々と試食。そのおいしさに感嘆し、思わず「僕だけいただいちゃってすみませんね」と会場に向かって話すなど、笑いの絶えないトークが繰り広げられました。
小泉名誉教授からは世界の発酵食品などが紹介された他、恵那の発酵食品ソムリエの皆さんが考案した発酵食が紹介されました。「甘酒クラッカー」や五平餅のタレを混ぜ込んだ「からすみ」などに、ステージ上の二人は「おいしい」と試食。小泉名誉教授は「恵那の発酵食は素朴で歴史を感じる。この文化を次の世代に残していくべき」と話し、参加者らは、改めて発酵食の魅力と、恵那の発酵文化の奥深さを感じました。





農高生とパン作り講座
サミットでは、恵那農業高等学校の生徒がパン作りを教えるワークショップも開催されました。
参加者は、事前に申し込みをした18人。生徒8人が各テーブルに分かれ、一緒に生地を伸ばしたり丸めたりして、3種類のパンを作りました。焼いている間「大きくなってきた」「いいにおい」とワクワクして待っていた参加者たち。焼き上がったパンを見ると、うれしそうな笑顔が広がりました。
中津川市から来た熊澤綾人さん(10歳)は「たくさんの工程があったので途中で面倒になってしまったけど、焼くと膨らんでいくところがおもしろかった。生地がふわふわだし、自分で作ったパンはおいしい」とパンを頬張りました。



ワークショップや展示も
会場には、ワークショップなどの体験コーナーも多く設けられました。訪れた人たちは、味噌汁や酢の飲み比べをしたり、イースト菌による発酵で発生した二酸化炭素で風船を膨らましたりと、さまざまなコーナーを回って楽しんでいました。
風船を膨らます体験をした東野の有我美羽(みゆ)さん(7歳)は「待っていたら風船が膨らんできて、不思議だった。おもしろかった」と話しました。


納豆ホットサンドの試食

味噌汁の飲み比べと味噌の違いを体験

25日に岩村醸造で仕込んだ甘酒が出来上がる

発酵で風船を膨らます体験

顕微鏡で乳酸菌、酵母、黒麹菌を顕微鏡で観察

くさや、ドリアンなどの臭いを体験「鼻まがり展」
発酵川柳の表彰式
本大会実行委員会で募集していた「発酵川柳」の表彰式も、この日行われました。「一般の部」「中学生の部」「小学生の部」に加え、サミット来場者による投票で決定する「特別賞」の4部門の受賞者に、賞状が贈られました。
- 一般の部 最優秀賞 村田睦美さん(埼玉県)
「金よりも 菌で長生き する我が家」 - 中学生部門 最優秀賞 中村史羽(しば)さん(恵那西中学校2年)
「ごへいもち 郷土を誇る 恵那の味」 - 小学生部門 最優秀賞 本永結菜さん(瑞浪小学校3年)
「試合前 納豆食べて ねばり勝ち」

ステージ上で行われた表彰式

会場には川柳が展示された
にぎわうマルシェ



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更新日:2023年11月30日